医師 or 弁護士?
高いステータスを持つ資格の代表格として弁護士・裁判官・検察官など法律を扱う専門職があります。これらをまとめて法曹と呼びます。
日本版ロースクールができて・・・
2004年に米国のロースクール制度にならい、「法科大学院」制度が設立されました。従来の大学における法学教育よりも、より専門職育成に特化した教育を行うことで、将来の需要増大に対し十分な法曹を確保できるという期待がありました。
しかし、これが失敗だったのです。法曹が市場の需要に対して供給過多になってしまい、就職難に陥ってしまう司法修習生が続出してしまったのです。国の予想に反して、訴訟件数は減少傾向、一方弁護士の数は10年間で2倍に膨れ上がってしまいました。
規模の大きい法律事務所に就職できる弁護士はほんの一握りです。事務所に居候させてもらい、自分で得た仕事をこなす、いわゆる「イソ弁」さえできなくなってしまう状態だと聞きます。
近年はこの状態に危機感を持った政府が、司法試験の合格率を引き下げて、法曹の増加を抑制しようという動きを起こしています。
長男も一時は法曹を希望して・・・
長男も中学生の時、戦後日本を代表する弁護士、中坊公平氏の著作を読み、弁護士になることを考えていた時期もあったようですが、現在の状況を見ては「あの時弁護士を目指さなくてよかった」と言っています。
今後、中長期的に見れば、法曹のニーズが高まるときが来るかもしれませんが、テレビなどで見かける華やかな弁護士の世界はほんの一部であるということを認識していた方が良いかもしれません。