資格はあなたの子どもの盾になる 前編
最近面識がなかった方からも、私の家族のことを聞いて、子育てに関する相談を受ける機会が増えました。少しでも皆さんの助けになりたいと思い、時間も忘れて熱いトークを続けてしまうこともしょっちゅうです。
私の生い立ち
その中で、私はときどき「海外留学の是非」や「欧米での教育」についてお話しすることがあります。私は平凡な専業主婦ですが、青春時代をイギリスで過ごしたという経験は、少し特殊かもしれません。
これから子育てについてお話しする前に、私自身の生い立ちについてご紹介したいと思います。
私は世田谷に二人姉妹の次女として生まれました。
父は貿易を営む会社社長、母は某国立女子大出身の才女で、それなりに裕福な家庭で育ちました。
中学生でイギリスの寄宿舎学校へ入学
父は子どもの教育に熱心で、特に当時としては珍しかった海外留学に強い興味を持っていました。「世界を見て学んで来い」と、私たち姉妹を、イギリスの私立の寄宿舎学校(ボーディングスクール)に留学させたのです。
14歳にしてイギリスの地を踏むこととなった私。世界中から集まった各国の令嬢たちと生活を共にしながら、5年間の学生生活を送りました。ちなみに私より先に帰国し、日本の大学を卒業した姉は、イギリス生活で培った国際感覚と語学力を生かし、ヨーロッパ某国の大使館職員として活躍しています。
父親が胃癌で倒れ・・・
私が日本に帰国して大学に入学した矢先、父は胃癌という病魔に侵されてしまいます。病気を隠して懸命に働いていた父でしたが、ワンマン経営であった会社はたちまち立ち行かなくなり、会社をたたまざるを得なくなりました。授業料で家計に負担をかけなくなかったため、私は大学を中退しましたが、外資系企業に勤務する欧米人の生活をサポートする不動産会社で、幸いにも職を得ることができました。父は、私の就職を見届けて間もなく亡くなりました。
「手に職をつける」ことの大切さを学ぶ
このつらい経験が、今も私の根底に根付いています。当時私が強く認識したことは、「手に職をつける」ことの大切さです。いかに事業が成功していても、一度きりの失敗でその人の人生が終わってしまうことがあります。どれだけ大きな企業に勤めていても、その企業がなにかの拍子に倒産してしまえば、同じレベルの職業への転職はできないかもしれません。
私は、父が与えてくれた語学力というプレゼントのおかげで、窮地を脱することができました。